【2月15日 AFP】20年前に行われていたセクハラ行為について、米テネシー大学(University of Tennessee)を相手取り、元学生の女性6人が起こした訴訟で、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のデンバー・ブロンコス(Denver Broncos)に所属するQBペイトン・マニング(Peyton Manning)の名前があがっている。

 米紙テネシアン(The Tennessean)によれば、ブロンコスが第50回スーパーボウル(Super Bowl 50)を制した2日後の9日、訴状がテネシー(Tennessee)州ナッシュビル(Nashville)の裁判所に提出され、原告は、大学が男女のスポーツプログラムを平等にサポートするという規則に違反したと主張している。

 女性6人は、1990年代半ばから大学側が「不適切なセクハラ環境」を看過してきたと訴えており、実際に元学生の10人以上が、性的暴行に関わった疑いをもたれていると説明した。

 テネシアン紙は、この中の一つにマニングが関与していた可能性があると伝えており、同選手が女性トレーナーに対して行ったとされる過去のセクハラ疑惑は、2003年にも表ざたになっていた。

 同紙には疑惑の詳細が記されており、1996年、当時カレッジのスターQBだったマニングは、診察を受けている最中に、性器を露出して女性トレーナーの頭部に触れさせたという。

 マニングは当時の状況について、友人に対し、下半身を露出するいたずら「ムーニング(Mooning)」を仕掛けていただけだと弁明している。

 女性トレーナーは事件の直後に訴えを起こしており、その中で、いたずらを仕掛けられたとされる友人は、マニングの説明に反論している。しかし1997年、マニングとの間で示談が成立し、女性が大学を去ることで決着していた。

 今回新たに提出された訴状の中で、元学生の女性は、大学側の方針がセクハラ行為を加速させ、被害者が出た後も男子学生を優遇するような「明らかに不合理な対応」しかしてこなかったために、当時の女子学生はさらなる我慢を強いられたと主張している。

 QBとしてはスーパーボウル史上最年長で優勝を飾った39歳のマニング。その去就に注目が集まるが、今季限りで引退するだろうという見方が強い。(c)AFP