【2月6日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督が5日、豊富な資金力で選手を買い集めている中国スーパーリーグに対し、警戒感を示した。

 中国スーパーリーグ(1部)の江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)は同日、ウクライナ1部リーグのシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)からブラジル人MFアレックス・テシェーラ(Alex Teixeira)獲得を発表した。

 中国ではテシェーラのほかにも広州恒大(Guangzhou Evergrande)がスペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)から移籍金4200万ユーロ(約54億円)でコロンビア代表ストライカーのジャクソン・マルティネス(Jackson Martinez)を、江蘇蘇寧がイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)から移籍金2800万ユーロ(約36億円)でブラジル人MFのラミレス(Ramires Santos do Nascimento)を獲得している。

 サッカーのニュースサイト「トランスファーマルクト(Transfermarkt)」は、中国のクラブが今冬の移籍市場で費やした金額は合計2億5890万ユーロ(約338億円)に上り、イングランド・プレミアリーグのクラブが費やした総額2億4730万ユーロ(約322億円)を上回ったと伝えている。

 ベンゲル監督は、大金を選手獲得に費やす中国スーパーリーグは脅威になるかと問われ、「もちろんだ」と答えた。

「中国には欧州の全リーグを国内に動かすだけの財政力があるようだ。われわれはこの仕事に長く携わっているので、経済力の重要性を理解しているし、彼らはそれを持っている」

「彼らは今後も戦力補強に大金を使い続けると思うか?思い出してみてくれ。過去に日本がそれをやっていたが、その後は失速した」

「中国がどれだけ深い欲望を持っているのか、私にはわからない。ただし、政治的な欲望がとても強ければ、われわれは心配しなければならない」

 ベンゲル監督はまた、中国クラブの大型補強が、移籍市場をさらに高騰させることになるとの見解を示した。しかし、プレミアリーグの放映権料が来季から増大するため、その勢いはさらに加速すると考えている。

「もちろん、そうなるだろうね。テレビ放映権料の契約により、今夏には値段がさらに上昇するだろう。近いうちに1億ポンド(約169億円)に到達すると確信している」

(c)AFP