【1月22日 AFP】米国籍のイスラム教徒3人とシーク教徒1人が、外見を理由にカナダから米国に帰国する航空便から降機を命じられたとして、アメリカン航空(American Airlines)などを相手取り、1100万ドル(約13億円)の賠償を求める訴訟を連邦裁判所に起こした。

 訴えを起こしたのは、20代の南アジアとアラブ系の米国市民4人で、1人は学生、他の3人はそれぞれ職業を持っている。4人は昨年12月8日、外見だけを理由に、トロント(Toronto)発ニューヨーク(New York)行きの航空機から降りるよう命じられ、差別、経済的損害、屈辱、精神的苦痛などを受けたと述べている。

 訴状によると、4人はカナダで誕生日パーティーに出席後、米国に帰国するため全員同じ航空機に搭乗した。だが、機内の客室乗務員は、理由を告げず攻撃的な口調で4人に降機するよう命じたという。「周囲の乗客たちは偏見で固まった人種差別的な発言をし、子どもたちや荷物を手元に引き寄せた。まるで何かが起きるとでもいうかのように」と4人は訴状で述べている。

 その後、航空会社のスタッフが4人に対し、機長と乗務員が「4人が機内にいることで不安で落ち着かない気分」になっており、4人が降機しない限り航空機は離陸しないと告げた。4人が「色黒の肌でひげを生やしているという外見が原因なのかと問いただしたところ、そのスタッフは4人を凝視して『(4人の外見は)有利にはならない』と言った」という。(c)AFP/Jennie MATTHEW