【1月17日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチが16日、米ニューヨーク(New York)のブルックリン(Brooklyn)にあるバークレイズ・センター(Barclays Center)で行われ、同級王者のデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)が、通算36戦目で35回目となるKO勝ちを収め、タイトルを防衛した。

 無敗王者のワイルダーは、挑戦者アルツール・スピルカ(Artur Szpilka、ポーランド)のあごに強烈な右パンチを打ち込むと、リング上に倒れ込んだスピルカはそのまま失神し、9回2分24秒でKO勝利を手にした。敗れたスピルカは、大事を取って担架で病院に搬送された。

 30歳のワイルダーは、最強の世界王者との呼び声が高いレノックス・ルイス(Lennox Lewis、英国)氏を目標に挙げており、米国人選手としては1992年にリディック・ボウ(Riddick Bowe)氏が果たして以来となるヘビー級統一王者になることを目指している。

 ワイルダーがタイトルを防衛したことにより、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)を破ってWBA世界ヘビー級王座を獲得したタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)との統一戦が今年の後半にも実現する可能性が出てきた。

 そのためには、試合後のリング上でワイルダーと舌戦を繰り広げたフューリーが、クリチコとの再戦に勝利する必要がある。

 一方、指名試合を拒否してクリチコとの再戦を組んだフューリーからタイトルがはく奪され、空位となっていたIBF世界ヘビー級王者には、チャールズ・マーティン(Charles Martin、米国)が輝いた。

 マーティンは同日に行われたIBF世界ヘビー級王座決定戦に臨み、対戦したビャチェスラフ・グラスコフ(Vyacheslav Glazkov、ウクライナ)が右膝の負傷により第3ラウンドで試合続行が不可能になったため、タイトルを獲得した。マーティンはこれで17連勝を飾り、通算戦績を23勝無敗(21KO)としている。(c)AFP