【1月14日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)の元事務局長は13日、2009年に「その他大勢」に宛てたものと共に、ロシアの陸上連盟に対して、ドーピング違反を警告する書面を2通送っていたことをAFPに明かした。

 当時、IAAFで同役職に就いていたピエール・バイス(Pierre Weiss)氏は、「第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)開催期間の前後にあたる」2009年6月と10月に2通の書面を送ったという。

 米AP通信(Associated Press)の手によって明らかにされた手紙で、IAAFは、血液ドーピングがもたらす健康リスクについて警告しているほか、ロシア当局が対策を講じるべきだと呼びかけている。

 バイス氏は、「ロシアで、ドーピング問題が繰り返し起こっていたことは事実だ」と語った。

「当時と現在の違いについて言えば、ロシア陸連が共謀したり、イニシアチブを取ったりしていることは、想像もしていなかった」

 世界反ドーピング機関(WADA)が、ロシア陸上界で国ぐるみのドーピングがまん延していることを告発する報告書を発表したことを受け、IAAFは昨年11月、ロシア陸連(ARAF)に資格停止処分を言い渡した。

 ロシアは、同国の陸上選手が今年のリオデジャネイロ五輪に出場できるよう、全力で事態の収拾にあたっている。

 IAAFによれば、ロシアが資格を取り戻すことができるのは、先月提示した基準を満たした場合のみで、そのためにはWADAやIAAFの反ドーピング規定に従わなければならない。

 ロシア陸連は、団体の幹部などに「ドーピング関与の経験があるメンバー」がいないことを証明し、「要求を満たすことができない者とは一切の関係を断つ」ことで、組織を「一掃する」必要がある。

 WADAは14日、独ミュンヘン(Munich)で報告書の第2弾を発表することになっており、共著者のリチャード・パウンド(Richard Pound)氏は、これが第1弾よりも衝撃的な内容になると発言している。(c)AFP