【1月7日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の裁定部門は6日、ジェローム・バルク(Jerome Valcke)事務局長に関する汚職疑惑の解明にさらなる時間が必要だとする調査室の報告を受け、組織の元ナンバー2である同氏の暫定職務停止処分を45日間延長することに合意した。

 ハンスヨアヒム・エカート(Hans-Joachim Eckert)氏を委員長とするFIFA倫理委の裁定部門は声明で、「ジェローム・バルク氏の職務停止処分を45日間延長する判断を下した。処分の延長は本日から開始する」と述べている。

 バルク氏の処分は9月中旬から適用されており、5日の午前0時に当初の期限が正式に失効した。

 FIFA倫理委の調査室は5日、55歳のバルク氏に関する疑惑の証拠を査定するのにさらに時間を要するとして、処分期間の延長を要求。最終勧告としては、同氏に対してサッカー界での活動を9年間禁止することと、10万スイスフラン(約1200万円)の罰金処分を求めている。

 しかし、調査室の要求が承認されなかった場合でも、バルク氏は倫理委員会による罰則とは別に、FIFAの管理部からも無期限の活動停止を言い渡されているため、職務に復帰することはできない。

 バルク氏は、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)のチケットを正規より高い値段で不正に売買したことに関与した疑いで職務停止処分を言い渡された。また、それに以外にも北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)のジャック・ワーナー(Jack Warner)元会長への1000万ドルの贈賄の疑いも持たれている。

 バルク氏の弁護士を務めるバリー・バーク(Barry Berke)氏は5日、FIFAの調査室を強く批判し、「バルク氏は過ちを一切犯しておらず、外部団体が事実を公正に評価すれば、今回のような判断になることはあり得ない」とコメントしている。

 バーク氏はまた、「FIFA倫理委員会の調査室は、バルク氏の模範的な行動、および事務局長としての長い任期で果たしてきた多大な貢献を無視することを選んだ」と主張。9年間の資格停止処分を勧告していることについても、「単なるイメージアップのためのPRに過ぎない。バルク氏を不当に攻撃することで、内部の警察機構が機能していると必死に証明しようとしている」と反論した。

 バルク氏の失脚がほぼ決定的になったサッカー界では、前代未聞のスキャンダルが次々と発覚し、世界中から大規模な改革を求める声が上がっている。

 先月には、FIFAのジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長と、欧州サッカー連盟(UEFA)の会長で最近まで次期FIFA会長の本命とみられていたミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏も8年間の活動禁止処分が言い渡されているが、両氏は処分を不服として控訴する意向を示している。(c)AFP