【1月1日 AFP】2016年が幕を開けた。人々は新年の到来をシャンパンと歓声で迎えたが、欧州では昨年11月のフランス・パリ(Paris)同時テロの記憶が今なお暗い影を落とす中、パリとベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で花火大会が中止されるなど警備態勢が強化され、祝賀ムードに水をさす格好となった。

 毎年いち早く年が明け、地球上で最初の盛大な祝賀行事が行われるオーストラリアのシドニー(Sydney)では、海辺の見晴らしの良い場所で待ち受けた見物客らの目前で、午前0時の合図と共に空いっぱいの花火が打ち上げられた。

 香港(Hong Kong)の名勝、ビクトリアハーバー(Victoria Harbour)の周辺にも数万人が集まり、きらびやかな花火を楽しんだ。

 一方、6週間前に首都が同時テロに見舞われたフランスでは、全土に合わせて10万人を超える警察官が配備され、各地の祝賀イベントの警備に当たった。隣国ベルギーでも、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の本部が置かれているブリュッセルでは高い警戒レベルが維持され、年始行事や花火大会などが中止された。

 ベルギー当局は2方向でテロ警戒に当たっている。一方は懸念されている年明け早々の攻撃で、12月31日には計画に加わったとされる容疑者6人が拘束された。他方はパリ同時テロの継続捜査で、同日10人目の容疑者が逮捕された。(c)AFP/Barry PARKER