【12月18日 AFP】15クラブW杯(2015 FIFA Club World Cup)は17日、横浜で準決勝が行われ、欧州王者のFCバルセロナ(FC Barcelona、スペイン)はルイス・スアレス(Luis Suarez)のハットトリックで3-0とアジア王者の広州恒大(Guangzhou Evergrande、中国)に快勝し、決勝進出を決めた。

 バルセロナは準決勝の直前、大黒柱のリオネル・メッシ(Lionel Messi)が、主に結石が原因で起こる腎疝痛(じんせんつう)を訴えて急きょ欠場となり、動揺を抱えたまま試合に入った。

 開始間もなくのバルセロナは、人数をかけてゴール前を固める広州の守備に手を焼き、メッシの魔法、そして太ももの負傷が癒えていない3トップの一角ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)のひらめきを欠くことによる影響は大きいかに見えた。

 それでもチームは前半39分、イヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)の強烈なミドルシュートをGK李帥(Shuai Li)が弾くと、こぼれ球に詰めたスアレスがシュートを押し込み、前半のうちに先制に成功した。

 さらにハーフタイム明けの後半5分には、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)の絶妙なパスを受けたスアレスが、胸トラップからのボレーシュートで李の牙城を破り、6万3000人の観客の大半を占めるバルセロナファンに歓喜をもたらした。

 そして最後は同22分、スアレスが今シーズンの公式戦21得点目となるゴールをPKから決め、ハットトリックを達成した。

 スアレス、メッシ、ネイマールの3選手による2015年の合計ゴール数は、スペイン1部リーグの宿敵レアル・マドリード(Real Madrid)のチーム総得点よりも多い、驚きの130得点に到達している。

 バルセロナは20日に再び横浜で行われる決勝で、2009年、2011年に続く史上最多3度目の大会制覇をかけ、アルゼンチンのリーベル・プレート(River Plate)と対戦する。

 スアレスは、「チームで一番重要な2人がいないのが試合前に分かっていたけど、僕らとしては集中力を保って、決勝進出を目指すだけだった。(メッシが)できるだけ早く戻ってくることを願っている」とコメントした。

「リーベルとの対戦に駒を進める絶好の機会だということもわかっていた。彼らはリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2015)王者で、アメリカ大陸でも有数の強豪だ。決勝でも何とかいいプレーをしてトロフィーをつかみたい」

 一方、広州を率いるルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督は、国内リーグ5連覇を達成し、ここ3年で2度目となるアジア王者に輝いた選手たちの頑張りをたたえた。

「選手たちには、最高の1年をありがとうと伝えた。われわれはバルセロナに0-3で敗れたが、数多くのビッグクラブが、同じように0-3でバルサに敗れているし、恥じることは何もない。メッシとネイマールがいなくとも、バルセロナのクオリティーが高いことに変わりはない」

(c)AFP/Alastair HIMMER