【11月15日 AFP】13日にパリ(Paris)で連続襲撃事件が起き、治安への懸念が広がるなか、2016年にフランスで行われるサッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の大会組織委員会は、当初から安全確保が最優先課題だったとAFPに話している。

 来年6月に開幕する欧州選手権は、パリ、マルセイユ(Marseille)、ボルドー(Bordeaux)、リヨン(Lyon)などの大都市を含む、フランス全土の10都市で開催される。

 大会にはフランスのほかに23か国が出場。チケット総数は250万枚に達し、国外からも多くのサポーターが観戦に訪れることが見込まれている。

 組織委のジャック・ランベール(Jacques Lambert)会長は、欧州選手権では当初から安全面を最大の課題に挙げていると話しており、銃撃犯と自爆攻撃犯によって120人以上が殺害された恐ろしい事件の前から、優先順位は変わっていないと語った。

 ランベール氏は、「現時点で大会が標的になる恐れがあるという、具体的な情報は何一つ入ってきていない」とコメントした。

「この数か月、(フランス国内で)リスクが最大限に高まっていることは把握していた。標的になっている国はわれわれだけではないが、注目度の高いイベントを攻撃すれば、与えるインパクトも大きい」

 今年1月に起きた仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社銃撃事件に続き、パリで大規模な襲撃事件が発生したのは、今回で2度目となる。

 ランベール氏は、「開催地に立候補したときから、われわれはテロ攻撃が大きなリスク要因だと考えていた。1月の銃撃で、その脅威はさらに深刻なものになった」と述べた。

「とはいえ、基本は変わらない。内務大臣と連携してきた作業が無意味になったわけではないし、リスクの度合いと防止策を再評価する作業はそのときも行った」

「金曜の恐ろしい悲劇も、それに似た影響をもたらすだろう」

 具体的な対策については明かさなかったランベール氏だが、お祭りムードを作り出すよりも、安全の確保に重点を置くとしている。

「私が一番関心を持っているのは、最大レベルの安全性の提供だ。そのために、観客が『不便』に感じる対策を実施する必要が生じたとしても、安全を優先する。私にとって重要なのは、観客が無事に、そして元気に帰宅することだ」

(c)AFP