【11月4日 AFP】英国人の女性冒険家サラ・アウテン(Sarah Outen)さん(30)が3日、手こぎボートやカヤック、自転車を使っての世界一周の旅を終えた。スタートからゴールまで1677日かかった旅は、英ロンドン(London)にあるタワーブリッジ(Tower Bridge)の下でフィニッシュを迎えた。

 旅を終えたアウテンさんは、母親と弟、そして太平洋横断の最中にプロポーズした婚約者のルーシーさんから抱擁で迎えられた。ルーシーさんの目には涙が光っていた。

 4万233キロメートルにおよぶ地球一周の旅を終えたばかりのアウテンさんは、「本当に特別な気分で、少し夢みたいです」とコメント。そして「テムズ川(River Thames)のにおいがすごいから、(早く)シャワーを浴びないと」と付け加えた。最終区間である英オックスフォード(Oxford)からロンドンまでは、カヤックで移動した。

 アウテンさんは2011年、世界中をボート、カヤック、自転車で周りながら、チャリティー4件の資金を集める目的でロンドンを出発した。

 挑戦では何度も難題に直面した。大西洋(Atlantic)では大型ハリケーン「ホアキン(Joaquin)」に見舞われ、また日本からアラスカへと向け太平洋(Pacific)を航行中には熱帯低気圧の影響をもろに受けるなど、2回にわたり救助を受けた。

 イルカとクジラは旅の良い道ずれだったが、アラスカではあまり歓迎できない旅の友に出会った。ヒグマだ。アウテンさんは、「裸で川に入って髪を洗っていた時、ふと顔を上げたら、大きなヒグマが音も立てずに、こちらに向かって川の中を歩いて来るのが見えた」と話した。

 今回の挑戦でアウテンさんは、北太平洋を手こぎボートで単独横断した最初の女性となった。(c)AFP