【11月3日 AFP】英通信社プレス・アソシエーション(Press Association、PA)は2日、チェルシー(Chelsea)の元チームドクターであるエヴァ・カルネイロ(Eva Carneiro)医師が、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督個人に対して訴訟を起こす構えであると報じた。

 この一報は、カルネイロ医師の弁護団が前週、クラブに対して退職強要の賠償請求をする意向を通知したと英紙各社が伝えたことに続くものとなっている。

 個人的に訴えられることになれば、モウリーニョ監督は法廷外での和解に至らない場合に持ち込まれる労働審判に先立ち出廷を余儀なくされ、個人としてダメージを被ることは免れない可能性がある。

 カルネイロ医師は、トップチームでの任務を解任された後、9月にクラブを退団していた。

 モウリーニョ監督は、スウォンジー・シティ(Swansea City)に2-2で引き分けた8月の今季開幕戦で、カルネイロ医師とフィジオセラピスト(理学療法士)のジョン・ファーン(Jon Fearn)氏がエデン・アザール(Eden Hazard)の治療を行おうとピッチに駆け込み、一時的にピッチ上に9人しかいない状況に追い込んだとして怒りを爆発させていた。

 チェルシーが今季11試合で6敗目を喫し、現在リーグ15位に低迷している状況下で去就が危ぶまれている52歳のモウリーニョ監督にとって、カルネイロ医師による訴訟報道は、さらに追い打ちをかけるニュースとなっている。

 これまで、チェルシーはクラブ内の人事についてコメントすることはないと繰り返している。

 カルネイロ医師とファーン氏がアザールを治療するためにピッチへ駆け込んだ行為について、モウリーニョ監督が「衝動的で無知をさらすもの」とする一方で、プレミアリーグの医療グループは、そうできなかった場合は同医師らが問診義務に違反することになったという見解を示した。

 カルネイロ医師に対する差別発言疑惑に関して、モウリーニョ監督はイングランドサッカー協会(FA)から無実と判断されたものの、カルネイロ医師はFAから事実関係の陳述書を求められていないと主張している。

 カルネイロ医師は、「FAが(スウォンジー戦当日の)8月8日に起きた事件について、メディアを通して調査していたようだと知って驚いています」とし、「これまで一切、FAからは陳述書を求められていない」と明かした。

「この国では、事件の当事者による証拠が関連なしとされるのが、唯一の正式な調査であるのかと不可解な気持ちです」

(c)AFP