■ひすい産業に透明性を

 地元の活動家らは、掘削機械が残した捨て石の山が崩れたり、違法な夜間のひすい探し中に険しい崖に転落したりして、この数か月で数十人のひすいの採鉱者が死亡したと話す。

 しかし、この地域をよく知る匿名希望の援助活動家は「この世の地獄だ」と言う。採鉱者が長時間の昼間の勤務中、痛みを和らげたり、飢えをしのいだりするためにヘロインを大量に投与することもよく行われているという。

 カチン州の地元の人々は、大切な天然資源が失われつつあるのではないかと懸念している。

 州都ミッチナ(Myitkyina)のあるビジネスマンは、今ではひすいは大型の機械を使って可能な限りスピーディーに採掘されるようになっているとした上で、最良のひすいのうち少なくとも70%は外国に密輸されているのではないかと語った。

 ひすい貿易はミャンマーの軍や権力者の取り巻き、麻薬王と結び付いており、カチン州の紛争の資金源にもなっていると、NGOのグローバル・ウイットネスは指摘する。

 グローバル・ウイットネスは、ひすい産業も、石油やガス産業と同じく透明性を向上させる改革を必要とし、一般人もその国の自然の恵みの分け前にあずかることを保証する国際的な枠組み「採取産業透明性イニシアティブ(Extractive Industries Transparency InitiativeEITI)」に参加すべきだと主張している。

「その国の最も価値ある産業を欠いた改革プロセスには異議を申し立てなければいけない」と、グローバル・ウイットネスのジュマン・クッバ(Juman Kubba)氏は言う。

 野党・国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)党首は、先日、選挙運動でカチン州を訪れたが、パーカンには足を向けず、ひすい問題にも直接言及しなかった。だが、クリーンな政府を実現するというスー・チー氏の公約は、同州の有権者の喝采を博した。

「政府には、私たちのことに関心を持ってもらいたい」と、夫を亡くし、2人の子どもを育てているダウ・カリーンさんは言う。ダウ・カリーンさんが恐れているのは、「昔と同じ顔ぶれになったら、どんな変化も起こらないだろう」ということだ。(c)AFP/Kelly MACNAMARA/Phyo Hein KYAW