【10月22日 MODE PRESS】ファッションデザイナーのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は、自分自身を「デザイン界のジャンヌ・ダルク(Joan of Arc)」だと考えているという。

 ジャンヌ・ダルクは15世紀のフランスで10代の頃に、軍を勝利に導くため先頭に立つよう神の声を聞いたというヒロイン。カールがそのジャンヌ・ダルクに自分をなぞらえたのは、カール自身も「心の中の声」に耳を傾けて行動しているからだという。

コマーシャル面でのアピールを考えてデザインしているか、という質問に対してカールは「一切考えません。私は自分の心の声にそのまま従っているだけ。デザイン界のジャンヌ・ダルクなのです。そんなことは自問しません。私はマーケティングの人間ではありませんから。直感だけで動いています。時々自分でも驚くくらいです」

 さらにカールは、自分の仕事を「ビジネス」とは全く考えておらず、マーケティング関連の打ち合わせや話し合いには出ないようにしているという。「長年続けていると、優先事項が少しずつ変わってきて、心もより自由になると思います。仕事のために必死にもがくことはありません。ただやるだけです。私が働く環境は、少しユニークではありますが」

「私はビジネスに興味がありませんし、ビジネスの視点では一切考えていません。打ち合わせにも行きません、マーケティングにも関わりません。一切です。私はただ『これを試してみよう、これをやってみよう』と考えるだけ」

「メゾン(「シャネル(Chanel)」)を任された時、オーナーは私に言いました。『今はあまり流行の先端というわけではないし、大して自慢できたものではない。何でも好きなようにやってくれればいい。もしうまく行けばいいことだし、うまく行かなければ売却してしまうから』と。それどころか、ものすごうまく行きましたけれどね」(c)Bang Showbiz/MODE PRESS