【10月22日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)は21日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(78)が脳腫瘍を患っているとするイタリアの新聞報道について、事実無根だと全面否定した。

 これに先立ち伊紙クオティディアーノ・ナツィオナーレ(QN)は、フランシスコ法王の脳に数か月前、「小さな暗い影」が見つかったとする記事を掲載。発見したのは、頭蓋底脳腫瘍手術の第一人者でイタリア中部ピサ(Pisa)郊外のサン・ロッソーレ・ディ・バルバリチナ(San Rossore di Barbaricina)医院で活動することもある日本人医師、福島孝徳(Takanori Fukushima)氏だとしていた。

 同紙によれば、福島氏は医療チームとともに救急ヘリコプターでバチカン入りし、フランシスコ法王を診察。手術せずに腫瘍は治療可能と判断したという。記事は、法王の本名「ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio)」が記載された診療録(カルテ)を見たという看護師の話を根拠としている。

 しかし、バチカン報道官のフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)神父は、根拠のない報道だと一蹴。「日本人の医師がバチカンを訪れて法王に会った事実はないし、記事に示唆されたような診察も行われていないと明言できる」と述べ、もし法王が深刻な病気を抱えていると思うならば「法王の外遊についていけば、(法王が健康だということが)分かるだろう」と記者たちに語った。

 福島氏のブログによれば、同氏は2014年10月にフランシスコ法王に謁見していたが、これが医師としての面会であったことを示す記述はない。(c)AFP/Angus MACKINNON