【9月21日 AFP】15F1第13戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2015)は20日、決勝が行われ、フェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が今季3勝目を挙げた。

 レース中にトラックに侵入した正体不明のファンに動揺したベッテルだったが、レッドブル(Red Bull)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)を抑え、会心のポールトゥウィンを飾った。

 ベッテルは36周目を走行中、トラックを歩く男を目の当たりにし、大きな衝撃を受けた。ベッテルがチームラジオで、「男性がトラックにいる」と伝えたあと、レースにセーフティーカーが導入された。

 ベッテルは侵入者を発見した場面について、「誰かがトラックを横断しているのを見て、僕の視力に問題があるのかと思い、二度見したんだ」と振り返っている。

「だから男性がトラックを横断したとラジオで伝えた。彼が写真を撮っているのも確認したよ。狂っているよね」

 地元警察はその後、27歳の男を逮捕したことを明らかにしている。

 混乱に見舞われたものの、ベッテルは落ち着きを取り戻し、最後はリカルドに約1.4秒差をつけて通算42勝目を挙げた。

 ベッテルは今回の勝利で、総合首位に立つメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)との差を49ポイントまで縮めた。

 そして、同じくメルセデスで総合2位のニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)との差は8ポイントとなっている。

  一方、ハミルトンにとっては憂鬱(ゆううつ)な一週間となった。今回のレースで憧れの存在だった故アイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏の生涯記録161戦41勝の成績に並べる可能性があったが、メカニックのトラブルに見舞われ、リタイアに終わった。(c)AFP