【9月16日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は15日、欧州が直面する移民危機について話し合う緊急の欧州連合(EU)首脳会議を来週開催するよう要請した。

 メルケル首相は、オーストリアのウェルナー・ファイマン(Werner Faymann)首相と開いた共同記者会見で、欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)に電話で緊急首脳会議の開催を要請したことを発表。「一刻を争う事態。(次のEU定例首脳会議が予定されている)10月半ばまで待てない」と訴えた。

 ドイツは今年中に最大で100万人の亡命希望者を受け入れる見通しとされている。メルケル首相は、難民受け入れの問題は「汎(はん)欧州的」な方策でなければ解決し得ないと強調した。

 メルケル首相は、この緊急首脳会議の中心議題はEU加盟各国の難民受け入れ数の分担にはならないとしている。この国別分担をめぐっては、14日に開かれた関係閣僚会議で特に東欧諸国が強く反発した。

 さらにメルケル首相は、トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)独内相が先に提案した、公平な難民受け入れ分担を拒否するEU加盟国に対しEUからの援助資金を削減するという考えについて距離を置く姿勢を示し、「団結を目指す上で脅迫は良策ではない」と記者団に語った。

 メルケル首相は、首脳会議では難民の出身国に対するEUの支援策や、シリア難民に対処するトルコへの支援策、移民・難民がEUへの玄関口として押し寄せるギリシャやイタリアといった国々への支援策が話し合わるべきとしている。

 またスロバキアのロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相も、第2次世界大戦(World War II)以降最大の移民危機に対応するための緊急首脳会議の開催を支持したものの、自身の主な関心事は国別難民受け入れ数の設定に抵抗することにあると強調した。(c)AFP