【9月14日 AFP】中東エルサレム(Jerusalem)のアルアクサ(Al-Aqsa)モスクで、ユダヤ歴の新年を数時間後に控えた13日朝、イスラム教徒とイスラエル警察が衝突した。

 イスラム教で3番目に重要な聖地である同モスクがある丘は、ユダヤ教徒らが「神殿の丘(Temple Mount)」と呼ぶ聖地でもあることから、参拝をめぐり両教徒間の衝突が絶えない。先週には、モシェ・ヤアロン(Moshe Yaalon)国防相が神殿の丘に参拝するユダヤ教徒らと衝突したイスラム教徒の2グループを非合法団体に指定し、緊張が高まっていた。

 イスラム教徒の目撃者は、モスクにイスラエル警察が侵入し内部を破壊したと話しているが、警察側はイスラム教徒らが石や花火などを投げるなどの暴力行為を始めたためモスクの扉を閉鎖しただけだと説明している。

 警察は声明で、13日夜に始まるユダヤ教の新年祝賀行事に先立ち「暴徒」らが前夜からモスク内にバリケードを築いて立てこもり、ユダヤ人の参拝妨害を試みたと主張。参拝の妨害を防ぐために同日午前6時45分(日本時間午後0時45分)に敷地内に入ったところ、モスク内の人々から攻撃を受けたとしている。

 一方、イスラム教徒の目撃者の一人は、警官らがモスクの扉を閉めるためには不必要なまで奥に立ち入り室内を損傷させたと主張。礼拝用のじゅうたんが一部焼けたり、窓が割れたりしたと訴えた。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長はイスラエル警察によるモスクへの「攻撃」を非難する声明を出している。(c)AFP/Sarah Benhaida