【9月9日 AFP】(写真追加)移民や難民がギリシャやハンガリーに押し寄せる中、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は9日、第2次世界大戦(World War II)後で最悪の難民危機への大規模な対策案を発表した。

 就任以来初めてとなる欧州議会(European Parliament)への一般教書演説でユンケル委員長は、「今はおびえている時ではない」と述べ、「力強く、断固とした行動」の必要性を呼び掛け、今月14日に開かれるEU内相会議で対策案を支持するよう呼びかけた。

 ユンケル委員長は、欧州連合(EU)全体で難民16万人を受け入れる計画のもと、各国に義務付ける難民割り当て人数を提示。また、今後何年も続くとみられる移民・難民問題に対する、より恒久的な制度も示した。各国の受け入れ人数はドイツが3万1000人以上、フランスが2万4000人、スペインが1万5000人近くとされている。

 すでにフランスは2年間で2万4000人の受け入れに同意しており、また英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は5年間で2万人の受け入れが可能と表明している。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、すでに数千人規模の移民を受け入れているスウェーデンのステファン・ロベーン(Stefan Lofven)首相との会談後、同対策案を「重要な第一歩」と述べた一方、受け入れ人数上限の固定には反対の意向を示した。

 難民受け入れの義務化については、難民危機の最前線になっている欧州東部のハンガリーなどの国が強く反対している。(c)AFP/Cedric SIMON