【9月6日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)は5日、男子シングルス3回戦が行われ、大会5連覇の経験を持つ第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は6-3、6-4、6-4で第29シードのフィリップ・コールシュライバー(Philipp Kohlschreiber、ドイツ)に勝利し、この対戦カードでの戦績を10戦全勝に伸ばした。

「今日は大事なポイントを勝ち取ることができた。お互いに波があったけど、必要なときに良いサーブを打つことができた」と言うフェデラーにとって唯一悔やまれるのは、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)以降続いていた連続サービスキープが途絶えたことだろう。31歳のコールシュライバーは、第2セットと第3セットにそれぞれ1回ブレークを記録した。

 この結果、フェデラーは全米オープン15大会連続でベスト16進出を果たしており、2009年以来の決勝進出を目指して、次戦では4勝1敗で勝ち越している第13シードのジョン・イズナー(John Isner、米国)と対戦する。

 世界ランク2位のフェデラーは、最近になって新たなチップ&チャージの戦術を構築したという。34歳の今もプレーに磨きをかけているフェデラーは、相手のセカンドサーブでベースラインの前から打ち返し、すぐさまサービスボックスまで駆け上がるという方法を積極的に取り入れている。

 新たな戦術が生まれたのは米中西部でブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)と練習を行っているときだったという。

 その日は、フェデラーが時差ぼけから完全に回復しておらず、ペールも耳の感染症で体調が思わしくなかったため、軽い打ち合いを予定していた。

「僕も彼も疲れていたから、『よし、何ゲームかやってみよう。その方が良さそうだ』と言ったんだ」とフェデラーは振り返る。

「少しだけやって練習を終えようと思っていたんだけど、コンディションに慣れるためにもう少し続けろとコーチに言われたんだ」

「僕は分かったよと言って、最終的には遊びのような感覚になった。でも早くポイントを取るために、チップ&チャージをやるぞと言ったんだ」

「そこからリターンダッシュをやり始めて、いくつかウイナーを決めた。面白くなって、みんな笑い始めた」

「そしてコーチが言った。『どうだろう、試合の中に取り入れてみては?』とね。僕は『本当に?』という感じだったんだけど、重要な場面で使ってみろと何度も後押しされたんだ」

「前に出るのは選択肢の一つ。シンシナティ(Cincinnati)の大会でうまくいったのが、とてもうれしかった」

 しかしながら、ビッグサーバーのイズナーと対戦する4回戦では、チップ&チャージを使える機会がそこまで多くないかもしれない。(c)AFP/Dave JAMES