【9月3日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)を最後に引退することを表明しているマーディー・フィッシュ(Mardy Fish、米国)が、現役最後の試合で敗れる要因になったのは、持病の心疾患や不安障害ではなく、軽度の脚のけいれんだった。

 フィッシュは2日の男子シングルス2回戦で、第17シードのフェリシアーノ・ロペス(Feliciano Lopez、スペイン)に6-2、3-6、6-1、5-7、3-6で敗れた。

 病魔との闘いで最近3年間はツアー出場が限られ、世界ランクも581位まで転落した33歳のフィッシュは、通算13回目の出場となる全米オープンが、自身にとって最後の大会になると表明していた。

 フィッシュは第4セットでロペスを5-4と追い詰め、自身のサーブを迎えたものの、暑さと湿気で多くの選手が悩まされたけいれんに襲われ、最終的には敗戦に終わった。

 ルイ・アームストロング・スタジアム(Louis Armstrong Stadium)で3時間11分の激戦を終えたフィッシュは、「あきらめたのではなく、けいれんに襲われただけだ。ちょっとステップしただけで、両脚がその状態になった」と明かした。

「コートから運び出されなければならない状態でも、最後まであきらめるつもりはなかった」

 過去に世界ランク7位まで到達した実績を持つフィッシュは、シングルス通算6勝を記録しており、四大大会(グランドスラム)では2008年の全米オープンを含め、3度の8強入りを果たしている。

 しかし、2012年にフィッシュの世界は崩壊した――。同年5月に不整脈の治療を受けたフィッシュは、第23シードで臨んだ全米オープンで4回戦に進出するも、「健康上の理由」で棄権し、大会に衝撃を与えた。

 フィッシュはそのとき、世界中で数百万人もの人たちが悩まされている問題に、自分が直面していることを悟ることになる。