【8月30日 AFP】31日に開幕する全米オープン(The US Open Tennis Championships 2015)で、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は、女子テニス史上最強の女王の座だけでなく、スポーツ史上最高の女子選手の称号を見据えている。

 33歳となった現在も、比類ないレベルの高さを維持するセレーナは、末恐ろしい10代として全米オープンを初制覇した1999年から、7月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)までで、合計21個の四大大会(グランドスラム)シングルスのタイトルを獲得し、今季は自身2度目の4大会連続グランドスラム制覇「セレーナ・スラム」も達成した。

 1970年代後半にクリス・エバート(Chris Evert)氏が達成して以来となる全米オープンの女子シングルス4連覇を果たせば、それは同時に、セレーナも未踏の年間グランドスラムの達成を意味し、男女を合わせても数えるほどしかいないレジェンドの中のレジェンドに肩を並べることになる。

 ところが、世界ランク1位のセレーナの頭を占めているのはそうした記録の話ではない。腕のある作家は、最後の章の前に来る山場の盛り上げ方を熟考するものだが、セレーナが書きつづっている物語のクライマックスは、そう簡単には終わらない一大叙事詩の様相を呈している。

 セレーナは、「私はただテニスがしたいだけ。この記録がどうとか、あの記録がどうとかいう話にはあまり興味がない。だって、私はただ自分のベストを尽くしたいだけだから。私は勝てるだけ勝ちたいし、それ以外のことに気を取られたくない。これからもそうやっていくつもりよ」と話した。

 過去にウィンブルドン、全米オープン、全豪オープンでそれぞれ6回、全仏オープンで3回の優勝を飾っているセレーナは、31日から始まる全米オープンでも、絶対的な優勝候補と目されている。

 セレーナは、「私はいつも、自分が定めた基準と戦っている。そうした高い基準を設定しているし、次もベストの自分を出すことだけを考えている」とコメントした。