■消費者に意識の高まりも

 香港在住のジャニス・ファンさんは、レストランは食材について、ほとんど情報をくれないと語る。

「高級レストランまたはシーフード専門店なら教えてくれるかもしれない。そうでなければ、包括的な情報は入ってこない」と、彼女はさまざまなシーフード料理で有名なカフェ・デコ(Cafe Deco)で語った。「もし自分が食べているものが持続不可能な種だと分かれば、私は食べないようにする」

 同店は、WWFのキャンペーンの一環として、持続可能なメニューを提供するようにしている。たとえば、フカヒレなど絶滅が危惧される種の料理は出さない。

 カフェ・デコの副料理長、ウィリアム・チャンさんは、食習慣を変えるにはレストランが「最初の一歩を踏み出すべきだ」と話す。

 他にも努力をしている人たちはいる。元銀行員で養殖業に転身したマーク・クウォクさんは、減少傾向にあるハタを育てている。彼の養殖場は2013年にWWFから持続可能な施設として認定された。

「ここには約3万5000匹の魚がいる。すべてを食べてしまっても、生態系に影響することはない。海を見たことのない養殖された魚なのだから」