【7月22日 AFP】中国・広州(Guangzhou)市の中級人民法院(地裁)で21日、勤務先の大学の画廊から143点の作品を盗み、自分が描いた贋作とすり替えていたとされる学芸員の男の公判が開かれ、男は起訴事実を認めた一方で、自分の作品も何者かによって別の贋作にすり替えられていたと主張した。

 広州美術学院(Guangzhou Academy)の主席学芸員、蕭元(Xiao Yuan、シャオ・ユアン)被告(57)は公判で、8年近くにわたって、自身が制作した絵画や書道作品とすり替えた本物の作品を販売し、3500万元(約7億円)近い売り上げを得ていたことを認めた。

 被害に遭った作品には、世界最高峰の芸術家の一人とされる20世紀の画家、斉白石(Qi Baishi、キ・バイシ)氏の作品も含まれていた。検察によると、蕭被告は125点の絵画をオークションで販売。さらに、蕭被告のコレクションからは、総額7700万元(約15億3000万円)相当の盗難作品18点が押収されたという。

 しかし蕭被告は公判で、同様の行為に及んでいたのは自分だけではなかったと主張した。蕭被告は裁判所のウェブサイトで公開された公判の動画の中で、「捜査の途中で、警察に私の作品の贋作の写真を見せられ、10年前に誰かが自分の贋作とすり替えていたことに気付いた。作品の出来がお粗末だったからだ」と述べている。(c)AFP