【7月22日 AFP】米国防総省は21日、米国主導の有志連合がシリア北部で行った空爆で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系過激派組織「ホラサン(Khorasan)」の指導者とされる人物を殺害したと発表した。

 国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官は、今月8日にシリアのサルマダ(Sarmada)付近を車で走行中だったムフシン・アル・ファズリ(Muhsin al-Fadhl)容疑者を殺害したと述べた。デービス広報官は、殺害に使用したのが、無人機か有人機だったかは明らかにしていない。

 ファズリ容疑者は、中央アジアか中東のどこかからシリアに向かい、欧米への攻撃をもくろんでいたとされる。

 ホラサンはアルカイダのシリア支部「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の一部だと米政府は述べているが、両者の区別に疑問を投げ掛ける専門家や活動家もいる。

 デービス報道官によれば、ファズリ容疑者は、「アルカイダのまとめ役であり、同組織の中でも信頼されていた少数の幹部の一人で2001年9月11日の米同時多発テロ事件の事前通告も受けていた」という。

 同容疑者は、いずれも2002年10月に発生したクウェート・ファイラカ(Failaka Island)島での米海兵隊襲撃や、フランスの石油タンカー「MV Limburg」襲撃にも関与したとみられていた。昨年9月にも米軍の空爆の標的にされたと伝えられたが、その時には同容疑者の死亡は確認されていなかった。

 米国務省は、ファズリ容疑者の死亡か拘束に結び付く情報の提供者に700万ドル(約8億6000万円)の報奨金を与えるとしていた。ファズリ容疑者は「テロ活動」に関与したとしてクウェートとサウジアラビア、米国の警察当局から指名手配中だった。(c)AFP