【7月7日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)は6日、女子シングルス4回戦が行われ、大会第1シードのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は6-4、6-3で第16シードのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)に快勝し、8強入りを果たした。

 通算6度目のウィンブルドン制覇を目指すセレーナは、1時間7分で姉妹対決を制し、準々決勝では4強入りを懸けて第23シードのビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)と対戦することが決まった。

 33歳のセレーナは、36本のウイナーと10本のサービスエースを記録し、ヴィーナスとの通算26回目の直接対決で15勝目を挙げたが、姉妹のどちらも試合を楽しめなかったことは明らかだった。

 セレーナは、「何があろうと常に応援し、本当に大好きで、世界で一番の親友を相手に(勝つことを)楽しむのは難しい」と語った。

「大好きで大切な相手とプレーすることは、決して簡単なことじゃないわ」

「でも、これから何度こういう場面に遭遇するか分からない。この先もずっとプレーを続けるつもりだけど、また互いに対決することになるかもしれない。だから、ただこの瞬間を受け入れただけ」

 家族との居心地の悪い試合を終えたセレーナは、これで歴史を塗り替えることに再び集中できる。

 セレーナは、今季の通算成績を36勝1敗として圧倒的な強さをみせており、全仏オープンテニス(French Open 2015)とウィンブルドンで連勝すれば、2002年に自身が達成して以来の快挙となる可能性を残している。

 世界ランク1位のセレーナは、昨年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)を制すると、今季は全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2015)と全仏でも優勝を果たし、四大大会(グランドスラム)では現在25連勝中となっている。

 セレーナは、この試合で叫び声を出したりガッツポーズを取ったりすることはほとんどなかったが、いきなりラブゲームでブレークして開始早々から勢いに乗ると、続く第2ゲームもポイントを与えずに2-0とした。

 その後、ヴィーナスが第3ゲームでようやくスコアボードに数字を刻み、第4ゲームでは鋭いウイナーを繰り出してブレークバックに成功すると、センターコートは本格的な戦いになるかと思われた。

 しかし、姉妹は時折激しく打ち合うだけで、試合に対する闘志も欠けており、それに呼応するように観客の声援もしぼみがちだった。

 セレーナは、すぐさまブレークバックして3-2とリードし、試合のほとんどで主導権を握ると、そのままセットを先取。そして第2セットも、同じ流れで進んだ。

 ヴィーナスは、第1ゲームと第7ゲームで相手のブレークポイントをしのいだものの、一度も波に乗ることはできず、悪いタイミングでダブルフォールトを犯す始末だった。セレーナが4-3とリードすると、あとはそのまま勝負を決めた。

 セレーナは、勝利を喜ぶ様子はほとんどみせなかった。姉妹は厳しい試練が終わると安堵(あんど)した様子で、一緒に足早にコートを去っていった。(c)AFP/Steven GRIFFITHS