【7月6日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は先週末、世界遺産として新たに史跡など多数を登録した。そのうちの幾つかを紹介する。

・フランス、シャンパーニュ地方とブルゴーニュ地方のブドウ畑

 世界で最も有名なスパークリンワインや赤ワインが生産されているこれら地域における、歴史的価値の高いブドウ畑や貯蔵・製造施設など。エペルネ(Epernay)のシャンパーニュ大通り(Avenue de Champagne)やブルゴーニュ(Burgundy)のコート・ド・ニュイ(Cote de Nuits)、コート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)のブドウ畑なども含まれている。これらの場所では、ピノ・ノアール種やシャルドネ種のブドウを使った世界最高峰のワインの一部が生産されている。

・日本、明治日本の産業革命遺産

 明治日本の産業革命を代表する国内11か所23施設。

 福岡県の八幡製鉄所(Yahata Steelworks)や長崎県の三菱長崎造船所(Nagasaki Shipbuilding Yard)など、一部施設では、現在も部分的に操業している。

 この他、軍艦島(Gunkanjima)の通称で知られる長崎県の端島炭坑(Hashima Coal Mine)や、佐賀県の三重津海軍所跡(Mietus Shipyards)、複数の製鉄所なども含まれている。登録をめぐっては、韓国や中国から一時反対する声が出ていた。

・米国、サンアントニオ・ミッションズ

 スペイン人宣教師らが、現在の米テキサス(Texas)州サンアントニオ(San Antonio)市とその近郊に建設したローマ・カトリック教会など5施設。この中には、1836年にメキシコからの独立を求めるテキサス州民約180人が、サンタ・アナ将軍(General Santa Anna)率いるメキシコ軍の兵士数千人を相手に戦ったアラモ要塞(Alamo Fort)も含まれている。

・ドイツ、ハンブルクの歴史的海運倉庫街と商業地区

 1885~1927年に造られた世界最大の倉庫街「シュパイヒャーシュタット(Speicherstadt)」は、複数の道路や運河、橋などで結ばれた赤レンガの事務所ビルが立ち並ぶ地区。船首の形の建物チリハウス(Chilehaus)を含む「コントールハウス(Kontorhaus)」商業地区も、世界遺産に登録された。

・トルコ、ディヤルバクル城塞と古代都市エフェソス

 チグリス(Tigres)川流域に位置するディヤルバクル(Diyarbakir)城塞。塔や門、控え壁がある約5.8キロの城壁。チグリス川とをつなぐヘブセル庭園(Hevsel Gardens)も世界遺産に登録された。トルコからは世界の七不思議の一つ「アルテミス神殿(Temple of Artemis)」がある古代都市エフェソス(Ephesus)も選ばれている。

・スペイン、サンティアゴデコンポステラへと続く道

 スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)巡礼路の4路。巡礼路は1993年にすでに登録済みだが、今回新たに4路が新たに追加された。巡礼路網の追加部分は合計約1500キロ。(c)AFP