【6月29日 Relaxnews】スペインで「Airbnb(エアビーアンドビー)」などインターネット上の宿泊施設賃貸仲介サービスに掲載された宿泊可能人数が昨年、ホテルのそれを上回ったことが同国の観光業界団体エクセルトゥール(Exceltur)の調査で明らかになった。

 同団体の委託で調査を行った米会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)によれば、エアビーアンドビーや同様のサイトに掲載されたスペイン国内の賃貸宿泊施設が提供したベッド数は、2014年末の時点で270万床に上り、従来のホテルや宿泊施設の240万床を上回ったという。

 住宅所有者が自宅を有料で貸し出す仲介を行うエアビーアンドビーのようなサイトは、スペインで27万8000件の物件を掲載している。国連世界観光機関(UNWTO)によると、スペインは観光で訪れる国として米国、フランスに次いで人気が高く、昨年は前年比7.1%増、6500万人の外国人観光客が訪れた。

 経済は徐々に回復しつつあるが、雇用は依然少ないスペインでは、観光客への自宅の有料貸し出しが「儲かるビジネス」として急成長している。近年、観光客が急増している北東部のバルセロナ(Barcelona)では、空き室の64%がインターネットの貸別荘サービスを通じて提供されており、住民の反発を招くほどになっている。

 一方、エクセルトゥールによると、雇用面から見た場合、インターネットを介した自宅の賃貸サービスは、旅行者100人当たり9.8人分の雇用しか生まず、ホテルの53.3人に比べ、観光業への貢献度が小さいという。また、所得の申告漏れで最大8億ユーロ(約1100億円)の税収が失われている可能性があると警告もしている。(c)Relaxnews/AFPBB News