【6月12日 AFP】トルコ・イスタンブール(Istanbul)の裁判所は、2013年の大規模反政府デモで、女性参加者に至近距離から催涙ガスを噴射した警察官に対し、苗木600本の植樹を命じた。トルコメディアが11日、報じた。

 この時のデモで警官が赤い服の女性に催涙ガスを噴射する画像が拡散。女性は「赤い服の淑女」と呼ばれ、この場面は同デモを象徴するものとなった。

 先に裁判所は警官に対し、傷害などの罪で禁錮10月の判決を下していた。だがトルコ紙ヒュリエト(Hurriyet)によると、裁判所は公判中の警官の模範的な態度を理由に、即ちに禁錮刑判決を取り消し、代わりに苗木600本の植樹と栽培・管理を命じる異例の社会奉仕命令を言い渡した。

 2013年5~6月の反政府デモは当初、イスタンブール市内の公園跡地の再開発計画への抗議として始まり、瞬く間にトルコ全土に拡大。抗議の矛先は当時首相だったレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)現大統領に向かい、警官隊による鎮圧で8人が死亡、約8000人が負傷し、逮捕者は数千人に上った。(c)AFP