【6月9日 AFP】ベルギー当局は8日、シリアに行く戦闘員の勧誘をもくろんでいた疑いが持たれていたチェチェン系過激派に対する捜索を行い、2人を逮捕・起訴した。検察当局が明らかにした。

 検察当局の報道官がAFPに明かしたところによると、起訴されたのは同国北部オランダ語圏のフランデレン(Flanders)地域を中心に21か所で行われた同日の一斉捜索で身柄を拘束された16人のうちの2人。残る14人は後に釈放されたという。

 同報道官は、当局は本件に関連してさらに3人に対する逮捕状を出す方針だとしている。一方起訴された2人については、「テロ関連容疑」ではあるものの起訴内容の詳細については9日まで分からないとしており、身元も明らかにしていない。

 検察当局は先に出した声明で、「捜索対象はチェチェン人コミュニティーに属するイスラム過激派」だったと発表していた。さらに、「過激派とサラフィー主義(イスラム厳格派)のチェチェン系の2組織が互いに結束していた」ため、警察が一斉捜索に踏み切ったとしている。

 しかし検察当局は後に、サラフィー主義のグループについては、当初疑われたベルギー国内での攻撃を準備していたことを示す確証が得られなかったとした。

 検察によると、港湾都市オステンド(Ostend)出身のある人物がシリアでの戦闘に参加した後に「負傷」し、「治療を受けるためベルギーに戻った」という情報を警察入手したことを受けて、今年2月にシリアでの戦闘員勧誘の疑いがもたれた組織に対する捜査が開始されていた。(c)AFP