【6月5日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は4日、シリア北東部で政府軍と激しい戦闘を繰り広げた後、主要都市ハサカ(Hasakeh)の入り口まで進攻した。ISは最近の戦闘で相次いで勝利を収めており、攻勢をさらに強めている。

 米軍主導の9か月に及ぶ空爆にもかかわらず、ISは最近また新たに支配地を拡大。その中にはシリアの古代都市パルミラ(Palmyra)や、イラク最大県アンバル(Anbar)の県都ラマディ(Ramadi)も含まれている。

 英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、ISは「ハサカの南で政府軍と激しく衝突した後、同市の入り口から500メートルの場所にまで迫っている」という。

 ラフマン氏は、3日に少なくとも6件の自爆攻撃があり、その後建設中の刑務所の建物や発電所を含むハサカ周辺の全ての軍事拠点をISが掌握したと伝えた。さらにISは4日遅く、ハサカ市の端にある軍事拠点のそばで自動車爆弾を爆発させたが、この爆発の死傷者に関する情報はまだ入っていないという。

 ハサカがISに制圧されれば、シリア北部の都市ラッカ(Raqa)に続き、シリアでISの支配下に入る2つ目の県都となる。(c)AFP/Maya Gebeily