【6月1日 AFP】シリア政府軍が先月30日に国内で行った空爆で多数の民間人が犠牲になったことを受け、国連(UN)のスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)特使は同政府を強く非難する声明を発表した。

 英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が率いるシリア政府軍は先月30日、シリア北部アレッポ(Aleppo)のシャール(Shaar)地区でヘリコプターから「たる爆弾」を投下し、複数の子どもを含む民間人84人が死亡した。

 この空爆を受け国連のデミストゥラ特使は同日付で声明を発表し、シリア空軍の自国領土への無差別攻撃による自国民の殺害は全く容認できないとの見解を示し、今回の空爆は「最も強い国際的非難を受けるのに値する」と述べ、たる爆弾の使用中止を求めた。

 シリア人権監視団によると、シリア政府軍が30日にシリア各地で行った空爆では、北西部イドリブ(Idlib)県の反体制派支配下の村で20人、北東部の反体制派支配下の町シャダデ(Shadadeh)で22人が死亡するなど、全土で少なくとも141人が死亡した。

 この他にシャダデでは、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘員とその家族を含む43人が政府軍の攻撃で死亡している。(c)AFP/Rana Moussaoui