【5月25日 AFP】米政府は24日、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が1週間前に圧倒的な力を見せ付けてイラクの都市ラマディ(Ramadi)を陥落させたことについて、イラク軍に戦う意志が欠如していたと批判した。

 過去数か月間、ISはイラクで劣勢にあるとみられていたが、ラマディとシリアの古代都市パルミラ(Palmyra)に対する攻撃で勢いを取り戻した。

 イラク最大の州アンバル(Anbar)の州都であるラマディがISに制圧されたことで、イラクだけでなく米国が採用した対IS戦略が正しかったのかどうか、疑問視する声も上がっている。

 アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官はCNNテレビのインタビューで、イラク軍にとって過去1年近くで最大の敗北となったラマディ陥落は回避可能だったと分析した。

「イラク軍が戦闘の意志を見せなかったというのが実情だったようだ。数では負けていたどころか、敵の部隊よりも大幅に上回っていたにもかかわらず、戦わずして戦場から撤退してしまった」とカーター氏。「ISIL(ISの別名『イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant)』の略称)と戦って自国民を守るというイラク軍の意志に問題があると私は感じるし、大半の人もそう考えると思う」

 ISは昨年6月にイラクの領土の一部を掌握。その2か月後に米軍主導の有志連合による空爆が始まり、これまでに3000回以上の空爆が行われた。

 カーター氏は、「空爆は有効だが、空爆も、またわれわれがなせる何事も、イラク軍の戦闘意志の代わりにはなり得ない」と指摘した。(c)AFP/Jean Marc Mojon