【5月20日 AFP】ウクライナ政府は19日、同国東部で16日に起きた分離独立派との銃撃戦で拘束したとするロシア人負傷兵2人が入院している病院に外国の報道陣を招き、取材させた。

 別々の病室で報道陣の取材を受けたエフゲニー・エロフェイエフ(Yevgeny Yerofeyev)大尉とアレクサンドル・アレクサンドロフ(Aleksander Aleksandrov)軍曹は病院関係者への謝意や家族に会いたいとの思いを語ったが、ロシア軍の所属であることや、就いていた任務の詳細については口を閉ざした。

 ウクライナ政府は、2人は1か月以上前にウクライナの紛争地域に入ったとしているが、ロシア政府は、その頃までに2人は既に陸軍を除隊していたとしている。ロシア政府は、ロシアの「志願兵」と非番の兵士がウクライナに入っていることは認めているが、正式な命令を受けて派遣されたものではないと主張している。

 しかしウクライナ軍が公開した尋問の動画の中で、2人はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の約200人の部隊の所属だと語っていた。GRUはソ連時代から、ロシア軍の中で最も高度で装備も充実した部隊の一つ。

 ウクライナ政府は、2兵士は同国東部の紛争にロシアが直接介入している証拠だとしているが、外国の報道機関に取材させたことでクライナ危機の解決に向けた交渉の中でロシア政府の態度が硬化する恐れもある。(c)AFP/Ania TSOUKANOVA