【4月30日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)とアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は29日、未成年の選手との契約の際に不正があったとして、1年間の移籍市場における活動禁止処分を受けたとの報道を否定した。

 スペインのラジオ局カデナ・セル(Cadena Ser)はこの日、レアルとアトレティコは、1年前にFCバルセロナ(FC Barcelona)が科されたものと同等の処分を受けたと報じていた。

 これに対しレアルは声明で、「伝えられた情報は完全に誤りである。このことは、スペインサッカー連盟(RFEF)が複数のメディアに対し、レアル・マドリードの未成年の選手との契約における不正への関与を否定していることからも明らかだ」と発表している。

 声明でレアルは、1月に国際サッカー連盟(FIFA)からユース選手51人に関する情報の提供を求められたことを認めているが、「レアル・マドリードは、1月26日の声明で詳しく説明した通り、この件に関するFIFAのルールを細心の注意を払って守ってきたと繰り返し主張する」としている。

 レアルと同様アトレティコも、未成年の選手の登録に関するFIFAのルールを守っていることを強調している。

 なお、AFPの取材に対しFIFAの広報は、「われわれは手続きが進行中のものについてコメントをする立場にない。当面、さらなる情報が提供される可能性はない」と語り、情報の提供を拒んでいる。

 バルセロナは、処分に対してスポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行い失敗しているが、不服申し立てを行ったことで処分の適用が2015年1月まで遅れたことにより、2014年夏にはルイス・スアレス(Luis Suarez)ら7選手の獲得に成功しており、レアルとアトレティコに処分が科された場合も、両クラブは同様の措置に出るものとみられている。

 また、カデナ・セルは、レアルは処分を見越して今年1月の移籍市場で例年になく活発に動いたと報じている。

 レアルは1月、ノルウェー出身の16歳の神童マルティン・ウーデゴール(Martin Odegaard)、マジョルカ(RCD Mallorca)から19歳のマルコ・アセンシオ(Marco Asensio)、U-21ブラジル代表のルーカス・シウバ(Lucas Silva Borges)を獲得している。

 さらにレアルは、移籍金3150万ユーロ(当時約44億円)でFCポルト(FC Porto)から右サイドバックのダニーロ(Danilo Luiz da Silva)を獲得し、今年の夏に加入すると発表している。(c)AFP/Kieran CANNING