【4月24日 AFP】英国の検察当局は23日、オーストラリアで今月予定されている第1次世界大戦(World War I)の戦没者追悼行事へのテロ攻撃と斬首による殺人の計画をあおったとして、イングランド(England)北西部ランカシャー(Lancashire)州ブラックバーン(Blackburn)在住の14歳の少年を起訴した。

 英公訴局(Crown Prosecution ServiceCPS)のテロ対策部門は声明で、「14歳の少年を、海外でのテロをあおった2件の罪状で起訴することを承認した」と発表した。少年は24日に出廷する予定。

 検察側は、少年が別の人物に対し、「人々を殺害または重傷を負わせることを目的として、オーストラリアで今月25日に行われるアンザック・デー(Anzac Day)のパレードを標的とした攻撃」をあおったしたと指摘。また、2件目の罪状として、「今年3月18日、オーストラリアで誰かを斬首するよう、別の人物をあおった」としている。

 毎年のアンザック・デーでは、第1次世界大戦中の1915年、現在トルコ領となっているガリポリ(Gallipoli)半島の激戦で命を落としたオーストラリア・ニュージーランド連合軍(アンザック、ANZACAustralian and New Zealand Army Corps)の兵士らの追悼記念式典が行われる。この戦いでは連合軍が敗北し、10万人以上が犠牲となった。

 オーストラリアでは今月18日、メルボルン(Melbourne)で行われた警察による対テロ強制捜査で、男5人の身柄が拘束された。英少年は20日、オーストラリア国内の人物と連絡を取り合っていた疑いで身柄を拘束されていた。

 男5人のうち2人はテロ行為を共謀した罪で訴追され、もう1人も武器関連の違反行為の疑いがかけられている。残る2人は釈放されたが、今後も取り調べが行われる予定だ。5人は、昨年9月にメルボルンでテロ対策班の警官2人を刺し射殺されたニューマン・ハイダー(Numan Haider)容疑者(当時18)とつながりがあったとみられている。(c)AFP