【4月21日 AFP】メキシコで1月に複数の警察官が、武器を持っていなかった民間人16人を殺害したとされる事件で、メキシコの検察当局による捜査と連邦警察の内部調査が始まっている。当局が20日、明らかにした。

 当局の発表では、暴力事件が頻発している同国西部ミチョアカン(Michoacan)州アパトシンガン(Apatzingan)で今年1月6日、警官隊と元自警団の間で起きた銃撃戦で9人が死亡した。しかし19日に週刊誌「プロセソ(Proceso)」とニュースサイト「アリステギ・ノティシアス(Aristegui Noticias)」に掲載された、著名記者ラウラ・カステリャーノス(Laura Castellanos)氏による記事は公式発表と矛盾した内容で、木の棒程度しか持っていなかった民間人に連邦警察が発砲したとしている。

 ミゲル・アンヘル・オソリオ・チョン(Miguel Angel Osorio Chong)内相は20日、報道陣に対し「検察当局が独自の結論を導き出し発表するだろう。捜査の結果を待っており、アパトシンガンで実際に何が起こったのか分かるだろう」と述べ、また警察でも内部調査が行われていることを明かした。

 メキシコ国家安全保障委員会は18日、匿名の提供者から受け取った映像を検察当局へ渡したと発表した。この映像はアパトシンガンでの「連邦警察官による過剰な実力行使または職権乱用」を示すものだという。(c)AFP/Laurent THOMET