【4月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(78)は5日、バチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)で発表した恒例の復活祭(イースター)のメッセージで、世界中の紛争地での「愚かな暴力」の停止を呼びかるとともに、シリアとイラクでの「甚大な人道上の悲劇」を傍観しないよう訴えた。

 サンピエトロ広場には、「ウルビ・エト・オルビ(Urbi et Orbi)」(ローマと全世界へ)と呼ばれる法王からの祝福を求め、雨の中を数万人が集まった。

 2013年の就任以来、3度目の復活祭となる今年のメッセージで法王は、今月2日にケニアで起き148人が死亡した大学襲撃事件で死亡した「若者たちについて特に思いを寄せている」と述べ、事件の犠牲者らに祈りを捧げた。ケニアの事件では、銃撃犯らがイスラム教徒の学生らを逃がした一方で、キリスト教徒やユダヤ教徒の学生らをあざけった上で殺害したとの目撃証言が出ている。

 法王はまた、「平和のために、なによりも、シリアとイラクのために、武器のとどろきが終わるよう」祈りを捧げた。また、国際社会に対し、「これらの国で広がる甚大な人道上の悲劇と、無数の難民の劇的状況を傍観しないよう」訴えた。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE