■操縦室に1人残された副操縦士

 ビルト紙によると、副操縦士は、着陸に向けたチェックが終わると、もう行っても大丈夫、と機長に伝えた。その2分後、機長はルビッツ副操縦士に対し操縦の交代を頼んだ。

 その後、椅子を後ろに引いてドアが閉まる音がした。ロバン検察官は、機長が「トイレに行ったのだと思われる」と説明している。

 仏検察当局は、1人になった副操縦士が飛行監視システムのボタンを押し、機体の降下が始まったとみている。「この動作は、故意でしかあり得ない」「もし意識を失って覆いかぶさったとしても、(ボタンは)4分の1押されるだけで作動はしない」(ロバン検察官)

 ビルト紙によると、機体は10時29分に降下を開始。ジャーマンウイングスによると、その後8分間にわたり急降下を続けた。

 ビルト紙によると、10時32分に航空管制官が同機との交信を試みたが、同機からは応答はなく、それとほぼ同時に自動警報システムが作動した。

 機長はトイレから戻り、操縦室のドアを開けようとした。ドアはハイジャック防止のため強化されており、開けるには暗証コードが必要だ。

 機長がコードを知らなかったことも考えられるが、ジャーマンウイングスの親会社ルフトハンザ航空(Lufthansa)のカールステン・シュポア(Carsten Spohr)最高経営責任者(CEO)は、その可能性は低いとしている。当局は、ルビッツ副操縦士が故意にドアを内側から施錠し、誰も入れないようにした可能性の方が高いとみている。