【3月17日 AFP】(写真追加)ロシアで16日、クリミア(Crimea)半島の併合から1年になるのを記念する3日間にわたる祝賀行事が開幕した。この歴史的な動きに対し欧米とウクライナは、違法な併合だったと強く非難している。

 黒海(Black Sea)に面したクリミア半島の各地で花火の打ち上げやコンサートが行われ、論争を巻き起こした住民投票から1年になるのを祝った。この住民投票は、その2週間前に同半島の主要都市に記章のない制服で大挙したロシア軍の精鋭部隊が見守る中で実施された。

 親ロシア派の当局は、クリミア半島の住民の97%近くがウクライナを離脱しロシアに編入する方に賛成票を投じたと発表していたが、独立した選挙監視員の立ち入りが認められていなかったことから、海外ではその信ぴょう性が広く疑われている。

 その住民投票から2日後、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はクリミアをロシアに併合する条約に調印。これによりロシアと欧米諸国との関係は急激に悪化したが、反対にロシア国内におけるプーチン大統領の支持率は記録的な伸びを見せ、先週の公式発表では88%に上ったとされている。

 クリミア半島各地で白・青・赤のロシア国旗がはためいた16日、欧州連合(EU)はロシアの黒海艦隊が駐留するクリミアの軍備がロシアの支配下で増強されていることを非難。

 EUのフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表は、「クリミアとセバストポリ(Sevastopol)の違法で正当性のない住民投票が行われて1年、欧州連合はウクライナの領土一体性維持に全力を尽くす」という声明を出した。(c)AFP/Oleg Leus