【3月15日 AFP】国際自転車競技連合(UCI)は、反ドーピングの考え方を徹底させるための、新たな方針を打ち出した。

 UCIの幹部には、独立委員会が発表した報告書の中で、ランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏や他の選手のドーピング違反を看過していたのではないかという疑いがかけられていた。

 自転車独立改革委員会(CIRC)は同時に、自転車界におけるドーピングが根深く、UCIは大幅な方針転換をしなければいけないと指摘していた。

 UCIのブライアン・クックソン(Brian Cookson)会長は、「ファンや放送局、クリーンに戦うすべての選手の信頼を獲得するため、CIRCの報告書を活用する所存」と述べた。また、これらの任務を遂行するためのタスクフォースを組織内で結成するとしており、スポーツディレクターや医師など、チームで重要な役割を果たす人物について「適切な人選」を行いたいという。

 UCIは、世界反ドーピング機関(WADA)や他の専門家と協力しながら「新たな物質やトレンドを分析し、禁止表や要注意リストに加えたい」としており、「アスリートの生体パスポートに関するケースでは、対応を迅速化」させていきたいとしている。

 他にも、反ドーピングに対するより具体的なアプローチ、国内ドーピング防止機関(NADO)との協力強化、内部告発プログラムの再実施、そして「必要かつ妥当」と判断された場合における夜間検査の実施などを取り入れていくという。

 クックソン会長は、「選手がクリーンな状態で勝利し、ずるをしようとした少数派が厳しい処分を受け、適正手続きに従い迅速に処罰されることを、自分やUCIの職員が約束する」と述べている。

「UCIが数年前とはまったく違う団体に生まれ変わり、われわれが経験から学んで、二度と間違いを起こさないことを証明している」

「予想していたとおり、CIRCの報告書は読むのもつらいものだったが、厳しい決断を避けることはできない。世界中の人々の心に触れる素晴らしいスポーツにおいて、信頼を取り戻すため尽力していきたい。この重要なとき、競技に関わるすべての人に自分の責任を全うしてほしい」

(c)AFP