■疑われたことをきっかけに過激化?

 エムワジ容疑者との数年にわたる通信記録を公表した英人権団体CAGEは、同容疑者が過激化したきっかけは卒業後の2009年におもむいたタンザニア旅行だったと主張している。

 エムワジ容疑者はCAGEに対し、旅行は観光目的だったのに、英当局からソマリアのイスラム武装勢力「アルシャバーブ(Al-Shabab)」への合流を企てたと疑われたと話していた。

 CAGEが先月26日に公表した通信内容によると、容疑者はタンザニアの中心都市ダルエスサラーム(Dar es Salaam)で一晩、身柄を拘束された後、友人らとともにオランダ・アムステルダム(Amsterdam)経由で英国へ送還され、その途上でも両国で尋問を受けたと語っていた。また、拘束の背後には英国の情報当局がいると主張し、それ以前に情報当局からスパイになるよう誘われ、断ったところ「やっかいなこと」になると脅されたとも述べている。

  CAGEによるとエムワジ容疑者はこの後、タクシー運転手の父親と母親の助言に従って、婚約者の家族と暮らすためクウェートに渡り、IT関係の仕事に就いた。以降、ロンドンへは両親に会うために2010年に2度、戻ったことがある。近所の住民はデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙に対し、その頃から容疑者は「奇妙でよそよそしく」なったと述べている。