【2月25日 AFP】人気映画『アメリカン・スナイパー(American Sniper)』の主人公のモデルとなった米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ、Navy SEALs)の隊員を殺害した罪に問われた米テキサス(Texas)州の男に24日、仮釈放なしの終身刑が言い渡された。

 事件では、テキサス州の射撃場で2013年2月、「米史上最強の狙撃手」と称賛されていたクリス・カイル(Chris Kyle)さんとその友人、チャド・リトルフィールド(Chad Littlefield)さんが殺害された。裁判でエディー・レイ・ルース(Eddie Ray Routh)被告(27)は、事件当時には心神喪失の状態にあったとして、無罪を主張していた。陪審団は3時間近くに及んだ評議の末、被告の主張を退ける判断を下した。

 同州ダラス(Dallas)から南西に約160キロ離れたイーラス(Erath)郡で2週間にわたって行われた裁判は、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督がカイルさんのイラクでの経験に基づいて製作した『アメリカン・スナイパー』の公開と時期が重なったこともあり、全米のメディアから大きな注目を集めた。

 カイルさんは4回にわたるイラク派遣で160人を殺害したことが戦果として公表されている。映画では米俳優ブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)が演じるカイルさんが英雄として描かれ、議論を呼んだ。

 なお、元海兵隊員のルース被告は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症していたとも主張していた。(c)AFP