【2月4日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のヘレス合同テストは3日、ヘレス・レーストラック(Jerez Racetrack)で3日目が行われ、ザウバー(Sauber)の新人フェリペ・ナスル(Felipe Nasr)が最速タイムを記録した。

 前日までも好タイムを出していたザウバーの「C34」だが、この日はナスルが108周を走行し、ベストラップ1分21秒545を記録してフェラーリ(Ferrari)の3日連続トップに歯止めをかけた。

 その一方で、マクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)とレッドブル(Red Bull)はマシンに技術上の問題が発生し、フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)とダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)は、タイムと周回数の双方で下から1、2番手に沈んだ。

 2日目まで、アロンソとジェンソン・バトン(Jenson Button)が各6周しか走れなかったマクラーレンは、アロンソが午前中に32周を走ったが、午後になると状況が暗転。パワーユニットの冷却系に問題が発生して走行を取りやめ、結局この日もラップ数は全チーム中最少、タイムも約14秒遅れた。

 最終日はバトンが「MP4-30」のハンドルを握る予定となっているため、アロンソの次の走行は、今月下旬に行われるバルセロナ合同テストまでお預けとなった。

 リカルドにとっても、バルセロナテストは大きな意味を持ってきそうだ。昨シーズンはメルセデス勢以外では唯一勝利を挙げたリカルドだが、今回のテストでは2日間の合計で83周しか走ることができなかった。

 弟チームにあたるトロ・ロッソ(Toro Rosso)の新人、カルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.、スペイン)が136周を走り、スペインの英雄アロンソを上回るアピールをしてみせたことを考えると、レッドブルの不安定ぶりはいっそう気がかりに感じられる。

 フェラーリは、ドライバーが前日までのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)からキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)へバトンタッチ。92周を走行したがタイムはベッテルに及ばず、ナスルから0秒205遅れの2番手となった。

 前年王者のメルセデスAMG(Mercedes AMG)は、この日もタイムより周回数を重視する走りを継続し、ニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)が初日の157周に続き、この日も151周を刻んだ。

 ロズベルグはさらに周回を重ねられた可能性もあったが、昼ごろにW06がコース上で停止し、いったんガレージに戻したことが響いた。

 ウィリアムズ(Williams)のフェリペ・マッサ(Felipe Massa)は、同じブラジル出身のナスルの陰に隠れる形となったが、「FW37」を駆って4番手タイムを記録と、まずまずの結果を残している。

 テスト開始後に遅れてヘレス入りしたロータス(Lotus F1 Team)には好転の兆しがみられ、パストール・マルドナド(Pastor Maldonado)がチーム2日目に96周を刻んだ。(c)AFP