【2月2日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が人質にとっていた後藤健二(Kenji Goto)さんと湯川遥菜(Haruna Yukawa)さんを殺害したとみられる事件について専門家らは、善良な援助国というイメージも暴力を逃れる免罪符にはならないという現実を突きつけ、平和国家・日本の外交政策に厳しい試練を課しているという。

 日本は長らく、中東地域の紛争には距離を置く姿勢をとってきた。これまでは日本がイスラム過激派などの攻撃対象となることはほとんどなく、多くの日本人は中東の紛争を遠い国の他人事と捉えていた。しかし、イスラム国が人質にとっていた民間軍事会社経営者の湯川さんとフリージャーナリストの後藤さんを殺害したとする動画を、それぞれ前週と31日(日本時間1日)に公開したことから、日本も標的とされる危険性が明確になってきた。

 2人が映った最初の動画がインターネット上に公開されたのは先月、中東歴訪中だった安倍晋三(Shinzo Abe)首相が、イスラム国の支配地域から逃れた難民の支援のために2億ドル(約235億円)を拠出すると表明した後だった。イスラム国は、数か月前から拘束していた湯川さんと後藤さんの身柄と引き換えに、同額の身代金を要求してきた。

 イスラム国は後藤さんを殺害したとする動画の中で、日本とその「無謀」な政府にとって「悪夢が始まる」と警告している。

 日本大学の岩井奉信(Tomoaki Iwai)教授(現代日本政治)は「これまでは、一般の人は日本は中東に対して関わっていないと思っていたし、イスラム国の問題は日本に関係ないと思っていた」、「今回のことで、日本は無関係ではないということの認識を新たにした。日本人であろうとなんだろうと、ターゲットになる可能性があるという認識。テロリストは様々な所にいるんだと」と述べている。