【1月30日 AFP】アジア・サッカー連盟(AFC)からオーストラリアを追い出そうとする思いも寄らぬ動きが30日、明らかとなり、第16回アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)決勝へ向け準備を進めるサッカルーズ(Socceroos、オーストラリア代表の愛称)に動揺が広がっている。

 AFCのサルマン・アル・ハリファ(Shaikh Salman bin Ebrahim Al Khalifa)会長はアラビア語の日刊紙アル・イティハド(Al Ittihad)に対し、湾岸諸国やその他の国々がオーストラリアに対し不満を持っていると明かした。

 オーストラリア・サッカー連盟(FFA)の最高責任者を務めるデビット・ギャロップ(David Gallop)氏は、数か国がオーストラリアの追放を求めており、正式に問題提起するよう助言されたという同会長の発言に「非常に驚いた」とコメントしている。

 サルマン会長は、「そう、オーストラリアを追放したいという思いが西アジア諸国の中にある兆候がみられるのは事実だ。しかしながら、アジアに継続的にオーストラリアがいることの妥当性に納得していないのは、アラブ諸国だけではないということも承知している」とコメントしている。また、会長はオーストラリアの加入は「実験」であると言及している。

 しかしながら、オーストラリア代表が31日にアジアカップ決勝の韓国代表戦を控える中、AFCの広報担当者はこの報道についてコメントを控えている。

 オーストラリアは2006年にAFCに加盟して以降、2大会連続でW杯とアジアカップに出場し、クラブレベルでも昨年のAFCチャンピオンズリーグ2014(AFC Champions League 2014)で優勝を飾っている。しかしながら、これに対してW杯の出場やその他の名誉を手に入れられない国々からは、不満の声が上がっている。

 この問題は、サルマン会長が再選を目指す5月のAFC総会で山場を迎える可能性もある。

 ギャロップ氏は、「西アジアでのこの報道に関して、非常に驚いている。われわれはAFCでは新参者だが、大会への参加や、重要なAFCの委員会における会員数などは年々増加している」と豪フェアファックス・メディア(Fairfax Media)に対しコメントしている。(c)AFP