【1月29日 AFP】男子ゴルフの元世界ランク1位で、先日、前歯が欠ける不幸に見舞われたタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が、ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン(Waste Management Phoenix Open 2015)開幕を控え、笑顔を取り戻した。

 メジャー通算14勝のウッズは、今大会で2014年8月の全米プロゴルフ選手権(2014 PGA Championship)以来となるツアー復帰を果たす。――ウッズは先日まで、腰の負傷が話題となっていたが、現在圧倒的に注目を集めているのは、彼のゴルフの状態ではなく歯の状態だ。

 ウッズは19日に、恋人でアルペンスキー選手のリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)の試合をイタリアで観戦していた際、カメラマンのカメラが口に当たり、前歯が欠けてしまったが、この日は満面の笑みで、「どんなスポーツでも歯をぶつけることはある。運の悪いことに、僕は競技中じゃなかったけどね」と語った。

「向こうが位置を変えたときにぶつかったんだ。単なる事故さ。それに運よく、歯根は無事だった」

「そこらじゅう血まみれだったよ」と語ったウッズはすぐに帰国し、翌朝に歯の再建治療を受けた。現在は「まったく問題ない」状態だという。

 ボンの試合観戦にお忍びで訪れていたウッズは、テレビゲームのキャラクターグッズのようなドクロ柄のマスクで口元を覆い隠していた。

 これについてウッズは、「まわりに溶け込もうとしたんだ。アルペンスキーの会場に、茶色の肌の人間はあんまりいないからね。マスクをしてた理由はそれだけだ」と話している。

 ウッズはまた、歯は折れた1本のほかにも、ひどいひびの入ったものがもう1本あり、帰国するまではまったく飲み食いができない状態だったと明かしている。

「帰国のフライトは悪いジョークみたいだったよ。治療を受けるまでは食べられない、飲めない。息をするだけで痛かった。ひびの入ったやつは、空気が神経に当たるんだ」

 ウッズといえば、ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏が持つメジャー史上最多18勝の記録更新の話をしないわけにはいかない。今回は、ウッズが39歳を迎えてから参加する最初の大会。そして39歳を過ぎてからメジャー4勝以上を挙げた選手は、過去に一人もいない。

 腰の負傷のため、4か月にわたってツアーを離れたウッズは、昨年12月に米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で行われた自身主催のチャリティー大会、ヒーロー・ワールドチャレンジ(2014 Hero World Challenge)で復帰した。この大会で、ウッズは最下位タイに終わっている。

 騒々しく、荒っぽいギャラリーで知られるフェニックス(Phoenix)にウッズが戻ってくるのは2001年以来となる。当時はファンにオレンジを投げつけられたり、やじを飛ばしてきたファンが銃を携帯していたことが後に分かったりするという出来事があった。

 ウッズは大会の安全面について、「それがここでしばらくプレーしなかった理由の一つだ」と話し、「でもここの人たちは、もう何年も素晴らしい仕事をして、前よりもずいぶん安全になったことを証明してくれた」と語った。(c)AFP