【1月20日 AFP】欧州連合(EU)は19日、フランス・パリ(Paris)とその周辺で発生した一連のテロ事件後初めてとなる外相理事会を、アラブ連盟(Arab League)の代表も招いてベルギーのブリュッセル(Brussels)で開き、イスラム諸国と連携して対テロ策を講じていくとともに、情報共有を強化していく考えを明らかにした。

 この会合は、イスラム過激派による襲撃を受けた仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)が新たに掲載した風刺画をきっかけに、各地で抗議行動と暴力行為が広がりを見せている中で開催された。出席した各国の外相は、増大する脅威に立ち向かっていくため、欧州は特にアラブ諸国やトルコと連携していくことが必要だという意見で一致した。

 会合後、EUのフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表は、「われわれは対テロ協力の水準を上げるため今後数週間以内に、一部の国々と共同でいくつかのプロジェクトを始めることを視野に入れている。具体的な国名を挙げると、トルコ、エジプト、イエメン、アルジェリアと湾岸諸国だ」と述べた。

 EUはさらに、協力を強化するため、欧州各国が主要なイスラム諸国に置いている大使館に専任の治安担当官を配置するとともに、イスラム過激派によるプロパガンダ対策としてアラビア語の運用能力を高めていくとしている。同時にモゲリーニ氏は、「EU内だけでなく、他の周辺諸国とも情報を共有」していく必要性についても言及した。

 アラブ連盟のナビル・アラビ(Nabil al-Arabi)事務局長も、「世界のあらゆる国がテロに苦しめられている。これは軍や治安の問題だけにとどまらず、学問・文化・メディア・宗教にも関わっており、われわれはそういった面での取り組みも進めようとしている」と述べた。(c)AFP/Bryan McMANUS