【1月16日 AFP】米国のジェイコブ・ルー(Jacob Lew)財務長官は15日、キューバへの渡航や送金などに科していた制裁を16日から緩和すると発表した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長は昨年12月17日、両国の関係正常化に向けた交渉開始で合意したと発表。今回の制裁緩和は、冷戦(Cold War)時代から50年以上にわたって敵対していた両国関係の正常化に向けた最初の具体的な措置となる。

 一般米国民のキューバへの渡航には制限があるが、ジャーナリスト、学術および芸術関係者、スポーツ選手らのキューバ渡航は大幅に緩和される。一般旅行者の場合は、米国発行のクレジットカードやデビットカードがキューバでも使用可能となるほか、最大で100ドル(約1万2000円)相当のラム酒または葉巻を含む総額400ドル(約4万7000円)までの物品をキューバから持ち帰ることができる。

 また、米国に移住したキューバ人から祖国の家族への送金額の上限も、3か月当たり500ドル(約5万8000円)から同2000ドル(約23万3000円)に引き上げられた。一方、対キューバ禁輸措置は今後も継続する。

 人道事業でキューバ人に対して行う送金、「迅速かつ平和的な民主化」のために設立された団体への送金の金額に制限はなくなる。キューバの民間企業や小規模農場の支援を目的とした投資も可能となる。さらに米キューバ間の通信環境整備を進めるとともに、通信機器や通信関連機器のキューバへの輸出も認められる。(c)AFP/Ramon SAHMKOW