■「フランスからの警戒要請なし」

 ブーメディエンヌ容疑者がトルコに入国し、身柄を拘束されることもなく1週間後に出国したという事実についてトルコ当局は、フランスから事前に警戒要請がなかったとして、トルコに非があるわけではないと主張した。

 さらにチャブシオール外相は、トルコ側が同容疑者の所在を特定した時点で、フランスからの照会を待たずにフランス当局に対し、「フランスが探している人物はトルコに滞在していた。その後シリアへ不法入国した」と通知したことを明らかにした。

 またエフカン・アラ(Efkan Ala)内相も、同容疑者の入国を拒否しなかったのはフランス当局からそのような要請も、女が「危険人物」であるという警告も受けていなかったからだと強調。トルコ国家情報機構(MIT)と警察が本件について調査を継続中だと伝えた。

 欧米諸国はこれまでトルコに対し、イスラム教スンニ派(Sunni)過激組織「イスラム国(Islamic StateIS)の戦闘員志願者が隣国のシリア入りすることを阻止するため十分な対策を行ってこなかったと批判してきた。これに対しトルコ側は、現在は入出国管理を強化しており、欧米側にも情報をトルコと共有する責任があると繰り返し訴えている。(c)AFP/Dilay GUNDOGAN, Stuart WILLIAMS