【1月10日 AFP】インドの都市開発省は8日、24年前に休職し、欠勤を続けた職員を解雇したことを公表した。悪名高い同国公務員の怠慢ぶりが改めて示される形になった。

 同省によると、1980年に中央公共事業局(Central Public Works DepartmentCPWD)に入ったアシスタント・エグゼクティブ・エンジニアのA.K.バルマ(A.K Verma)さんは1990年に休職した。休職の延長を求めたが認められなかったバルマさんは、上司の命令を無視して二度と職務に戻ろうとしなかった。しかし、バルマさんを解雇する正式な手続きは2007年になるまで始まらなかったという。

 M.ヴェンカイアー・ナイドゥ(M. Venkaiah Naidu)都市開発相は、「中央公共事業局における職務を円滑に行い、責任の所在をはっきりさせるため」、バルマさんの解雇を命令したという。

 インドの公務員は、遅刻や長すぎる昼食時間、勤務時間中のゴルフなど、数々の怠慢行為で悪名高い。2012年に香港(Hong Kong)を拠点とするコンサルタント会社Political and Economic Risk Consultancyが行った調査では、インドの官僚機構はアジア主要国の中で最低レベルだとされた。

 同国のナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、昨年5月に選挙で圧勝してニューデリー(New Delhi)にやってきた後、官僚のオフィスで見た光景に衝撃を受けたと語っていた。

 モディ首相は首相に就任して最初の1~2か月は予告なしで官庁のオフィスを訪れた。そのことを聞いた公務員の間では怠けている現場を首相に見られないようにと出勤率が上がり、平日のデリー(Delhi)の主要ゴルフコースはがら空きになったという。(c)AFP